近年、SNSの多様化が進み、次々と新しいプラットフォームが登場しています。
その中でも直近でZ世代から人気を集めたSNSが「BeReal.（ビーリアル）」。
「2022年App Store Awards」でベストiPhone Appにも選出するなど、日本でもユーザーが増加傾向にあり、話題になりました。そこで今回は、「BeReal（ビーリアル）」はどのようなものであるか、なぜ「BeReal（ビーリアル）」が流行ったのか、その背景にあるZ世代の価値観や、今彼らに響くコンテンツの傾向について解説していきます。

そもそも「BeReal（ビーリアル）」とは？

「BeReal.（ビーリアル）」は、2020年にフランスでリリースされた画像共有を目的としたアプリであり、SNSの一種です。2022年ごろに欧米で人気となり、日本では2023年ごろから話題になり始め、徐々にユーザー数が増加。

また、Z世代総合研究所が発表した『Z世代が選ぶ2024年上半期トレンドランキング』によると、「流行ったコト・モノ」の1位、「流行った言葉」の2位に “BeReal” がランクインするほどの人気ぶりとなっています。

画像を共有するとはいっても、「BeReal.（ビーリアル）」の場合は、リアルな日常をありのまま投稿・共有するアプリのため、Instagram（インスタグラム）のような映えを重視していません。

あくまで日常のリアルな様子を撮影・投稿するものとなっています。

「BeReal.（ビーリアル）」の特徴と利用方法

ここでは、「BeReal.（ビーリアル）」の大まかな特徴や利用方法を解説します。

・「BeReal.（ビーリアル）」の特徴
「ランダムな時間に来る通知」「2分以内に撮影して投稿」「インカメラとアウトカメラの同時撮影」というのが大きな特徴となっています。

投稿内容は「今、何をしているのか？」といったリアルタイムの状況（日常の1コマ）をありのまま伝えるものです。つまり、通知がいつ来るのかは分かりません。

また、他のSNSのように「いいね」や「フォロー」などもなく、SNSで評価の対象となるフォロワー数などを気にせず利用できる点も特徴です。

・「BeReal.（ビーリアル）」の利用方法
「BeReal.（ビーリアル）」アプリをダウンロードすると、1日1回通知が届きます。
利用方法は、電話番号などを使ってアカウントを作成します。
ユーザー名やプロフィール写真の設定など、基本情報を入力します。

具体的には以下の手順です。
・電話番号を入力後、「認証メッセージを送信」をタップ。
・SMSで届いた認証コードを入力
・名前の登録
・誕生日の入力
・ユーザー名を作成

ユーザー名は、英数字とドット「.」とアンダーバー「_」のみ使用可能です。しかし、ユーザー名の最初と最後にはドット「.」とアンダーバー「_」は使用できなくなっています。ユーザー名は後から変更できます。

・連絡先へのアクセスを許可するかどうかを選択する
アクセスを許可すると、連絡先からBeRealのユーザーを見つけ、友達リクエストを送ることができます。

「BeReal.（ビーリアル）」の使い方

ここでは「BeReal.（ビーリアル）」での撮影、投稿、タグ付け、絵文字、検索などに関する使い方について解説します。

・撮影
2分以内に内カメラ（フロントカメラ・インカメラ）と外カメラ（バックカメラ）を用いて撮影・投稿を行います。投稿する画像には、音楽や位置情報、キャプションを付けられますが、投稿内容を編集・フィルターなどで加工することはできません。
2分以内に撮影ができれば、追加で1日6枚撮影することが可能です。ただし、2分を過ぎても投稿自体はできますが、何分超過したのかが他のユーザーに表示されることになります。
2分以降に撮影した場合は、追加で1日1枚撮影できます。
BeRealの投稿はフォロワーのみが閲覧可能です。

・タグ付け
自分が撮影した写真や動画に一緒にいた人を追加できる機能です。どこで誰と過ごしたかなどを記録できるので、数か月、数年後に思い出したい内容をさかのぼる際にも便利です。
タグ付けされた人には通知が届きます。これにより、タグ付けされた投稿を見た人がリアクションしたり、それによって会話が広がるなどのメリットがあるでしょう。
タグ付けされた人は、次回の通知が来るまでの間は、タグ付けされた投稿を自分の投稿として再共有することが可能です。再共有すると、最大6枚まで写真を追加できます。
タグ付けは後から追加または削除することも可能です。誤ってタグ付けした場合でも安心です。ただし、タグ付けされた投稿が削除されても再共有した投稿はそのまま残ります。

・検索
他のユーザーを調べる際、ユーザー名や連絡先などを検索することも可能。見つけると、フォローリクエストを送り、フォローが承認されると相互にフォローすることができます。
フォローした人の投稿は、フィードに表示されます。
次の通知が来るまでの間、フォロワー同士お互いの投稿を閲覧することが可能。投稿は24時間後に消える仕組みです。

・リアクション機能
BeReal独自の機能「RealMoji（リアルモジ）」があります。「RealMoji（リアルモジ）」は、カメラ機能を使って自分自身を撮影し、スタンプのように送信する機能です。
従来型の絵文字によるリアクションとは異なり、自分の表情などを伝えることができます。
「RealMoji（リアルモジ）」は、アプリ内に保存されるので次回利用する際は、ワンタップでも同じものを利用できます。
「RealMoji（リアルモジ）」の追加・削除も可能です。

・メモリー機能
メモリー機能は過去の投稿を自分だけが閲覧できるものであり、他のユーザーには表示されない仕組みです。「あなたの思い出がアンロックされました」と通知がくる場合もあります。この通知は、メモリー機能がオンになり、過去の投稿が閲覧できる状況を指します。
「BeReal.」のアプリを更新した際に通知がくることが多いです。

メモリー機能は以下の手順により設定可能。
　・BeRealアプリを開く
　・画面右上のプロフィールアイコンをタップ
　・「設定」メニューを開く（右上の「…」をタップ）
　・「メモリー」を選択
　・オンに切り替える

メモリー機能を無効にする場合は、「メモリーを無効にして削除する」 または「思い出機能をオンにする」のいずれかをタップします。

・その他の機能
BeRealオーディオやディスカバリー、オーディエンス、Behind the Scenes（BTS）などの機能があります。

・投稿の削除
・BeRealアプリを開き、投稿画像をタップしてフルサイズで開く
・右上の「・・・」または「︙」のオプションメニューをタップ
・表示されるメニューの中から「投稿を削除」を選択
・削除確認画面が表示されると「削除する」を選ぶ

「BeReal.（ビーリアル）」の注意点

ここでは、「BeReal.」の注意点を解説します。

・投稿の削除について
投稿は1日に1度のみです。1日に投稿を削除できる回数も1回と制限されています。ただし、1度投稿を削除すると、その日は再投稿できるものの、再度削除することはできません。

・位置情報
「BeReal.」では、位置情報がデフォルトでオンに設定されています。そのため、位置情報がオンになっていると、投稿した内容に個人情報や場所が特定される情報が含まれている場合には注意が必要です。

・写真の内容に個人情報が含まれる
たとえば、写真の中に場所が特定されるような情報が含まれていたり、個人情報が記載された書類が写り込んでいるような場合などは、大変危険です。恋愛感情のある人物が写真を見ていた場合には、ストーカー行為に発展するような状況も否定できません。
個人情報といっても、財布の中からはみ出したちょっとした文字や部屋から見える景色などからも、特定される場合も少なくありません。撮影する際は細かいところまで配慮しながら工夫する必要があるでしょう。投稿後には削除することも可能ですので、個人情報が含まれる投稿に気づいたら、迅速に対応することが大切です。

・「Discovery」について
個人情報に関する事項については、「Discovery」についても注意が必要です。「Discovery」は、知らない人の投稿を閲覧できるため、写真やユーザー名から個人を特定されたり、日常生活や行動パターンを推測される可能性も否定できません。そのため、公開範囲の設定や個人情報が特定されない投稿内容にするなどの工夫が必要です。

・利用規約の内容を確認する
利用規約には、投稿写真が「BeReal.」アプリ運営側によって30年間保存・再利用される可能性が明記されています。そのため、フリー素材化の懸念もあり、退会後も写真や動画が広告、プロモ－ションとして利用されるケースもゼロではありません。

また、勝手に投稿写真が二次利用された場合、自身の投稿内容に、肖像権や著作権にふれる内容があれば、投稿した側に何らかの法的責任を負わなければならないリスクも生じます。したがって、公開範囲や内容の設定は慎重に行う必要があります。

「BeReal.（ビーリアル）」と他のSNSとの違い

ここでは、Instagramとの違いなどについて解説します。

・目的の違い
BeReal.とInstagramについては、画像を投稿するSNSという観点では同じですが、Instagramは映えや盛ることを重視している傾向にあるのに対し、BeReal.は今その瞬間をありのまま投稿するのが大きな違いです。
一方、BeReal.で撮影した写真は、Instagramに載せることも可能です。

・編集の有無
Instagramではエフェクト機能やフィルター機能といった編集が可能ですが、BeReal.にはそのような機能はなく、ありのまま投稿します。

データでみる「BeReal.（ビーリアル）」のユーザー数

ここまで「BeReal.」の特徴や利用方法を解説しました。
ここでは、インターネットの調査である「2025年最新｜SNSユーザー数ランキング」による、「BeReal.」の位置づけや成長率などをご紹介します。

LINEヤフーが2024年1月18日に発表した「若年層の流行に関する定点調査（2023年下半期）」の結果によると、最新の12月期調査では「BeReal」が1位となっています。

引用元：LINE・リサーチノート「最新Z世代トレンドは「BeReal」が1位。下半期は「ちょんまげ小僧」「ちいかわ」「呪術廻戦」が上位」

また、インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、国内30のSNSアプリを対象とした「SNSユーザー数ランキング」調査（2023年8月〜2025年8月）を実施。

ありのままの自分を投稿するSNSとして知られるBeReal.は、2025年8月には113万人に達し、937%増と極めて高い成長率を記録。

「リアル」や「気軽さ」といった新しい体験価値を重視する流れが強まったことを示唆しているとのこと。

引用元：PR TIMES【調査リリース】2025年最新｜SNSユーザー数ランキング（全30サービス）！2年間で"1,000万人増"「Threads」、映えないSNS「BeReal.」躍進で勢力図は変化した？

なぜ「BeReal.（ビーリアル）」が流行したのか

では、なぜ「BeReal.（ビーリアル）」はZ世代を中心に流行したのか。
その背景には、Z世代のSNSに対する価値観の変化と、Z世代特有の同調心理が大きく影響しています。

・“映え疲れ”へのカウンターとして支持

「BeReal.」が流行した背景には、SNSにおける“映え疲れ”があると言われています。

「映える写真」や「盛った自分」ではなく、あくまで“リアルな日常”を共有する仕組みが支持されました。
加工や演出に頼らず、素のままの自分を見せられる――
その“無加工・飾らない”心地よさが、特にZ世代に強く刺さったと考えられます。

・SNS疲れを生まない仕組み

BeReal.には「いいね」機能や「フォロワー」数といった指標が存在しないため、他者と比較されるストレスがありません。身近な友人との交流に特化したクローズドな空間が保たれ、安心して利用できる点も人気の理由です。
また、フォロワー数が可視化されないことで、いわゆる“インフルエンサー”が成立しづらく、PR投稿がほとんど流れてこないのも特徴です。
近年のSNSはPR投稿が増加し、Z世代は「広告であること」「興味のないPR」を敏感に見抜き、距離を置く傾向が指摘されています。商業色の薄いBeReal.のクリーンな環境は、まさに彼らの価値観にフィットしたと言えるでしょう。

・アプリユーザー・非ユーザーが一目で分かる「通知」機能

さらに、「通知が来てから2分以内に撮影する」という独特のルールが、BeReal.の口コミマーケティングの核であったと考えられます。
通知が来た瞬間に周囲のユーザーが一斉に撮影を始めるため、その場でユーザーと非ユーザーが明確に分かる構造になっています。
この光景を見た非ユーザーの「自分も使ってみたい」「周囲に遅れたくない」という心理が働きやすく、ダウンロードを促す効果があったと考えられます。

Z世代のSNSに求める本音を活用した施策にはＺ世代に特化したマーケティング会社への相談がおすすめ

「BeReal.（ビーリアル）」は、2020年にフランスでリリースされた画像共有を目的としたSNSの一種であり、リアルな日常をありのまま投稿・共有するアプリです。

日本では2023年ごろから話題になり始め、徐々にユーザー数が増加。2025年最新｜SNSユーザー数ランキング」のインターネット調査では、2025年8月に113万人に達し、937％増と、極めて高い成長率を記録しています。

比較されがちなInstagramとの違いは、BeReal.はありのまま投稿するのに対し、Instagramでは”映え”を意識した投稿であり、それぞれ目的が異なります。また、BeReal.では「フォロー」や「いいね！」の機能がないため、SNS疲れも軽減され、気軽に利用できます。

「BeReal.」がZ世代に流行した理由としては、
・“映え疲れ”を抱えるZ世代の価値観に寄り添った設計
・通知から2分以内に撮影する仕組みが、同調心理を自然に刺激した点
が大きいと考えられます。

株式会社アイ・エヌ・ジーでは、こうしたZ世代のSNS行動特性を踏まえ、検索されやすく・共感されやすいSNS施策の設計や、最新トレンドを活用したプロモーション施策を多数提供しています。
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