「ググらない」って本当?Z世代の情報収集方法

Z世代はインターネットを活用した情報収集を中心に、SNS、口コミなどを重要視しています。
つまり、検索窓で検索するよりも、UGCを情報収集に利用する傾向が強くあります。
一部では”検索しない”、”ググらない”と話題になることもありますが、実際の情報収集はどのような方法で行っているのでしょうか。
そこで今回は、そもそもZ世代とはどのような世代を指すのか、Z世代の特長やZ世代の情報収集はどのように行われているのかなどを詳しく解説します。
Z世代とは?
Z世代とは、1990年代半ばから2000年代初頭にアメリカで生まれた若い世代を指す言葉です。
アメリカでは「Generation Z(ジェネレーションZ)」と呼ばれ、「ポストミレニアル世代」とも呼ばれています。
アメリカでは世代をアルファベット順に呼ぶため、「X世代」「Y世代」もあるのです。
Z世代自体は、世界で使用されている共通概念であり、多様性を重視した行動様式が特徴です。
2021年「新語流行語大賞」ノミネートされたことでも話題になりました。
一方、インターネットやスマートフォンを当たり前に使用していることから、「ソーシャルネイティブ」や「スマホネイティブ」と呼ばれることもあります。
具体的に、Z世代は何歳なのか?
2025年現在、Z世代はおよそ15歳から30歳を指しています。
ただし、年代の線引きには諸説あります。
「ソーシャルネイティブ」や「スマホネイティブ」と呼ばれることから、インターネットやスマートフォンが普及している中で育った、デジタルリテラシーの高い世代と言えます。その他、強い仲間志向や自分らしさを大切にしたワーク・ライフ・バランス、多様性を尊重したオープンなコミュニケーションなどの特徴があります。
Z世代の特徴
ここでは、Z世代の行動やライフスタイルなどを踏まえた特徴を解説します。
主体的
キャリア形成など、自らの選択において、積極的に問題解決を考え、行動する傾向にあります。起業についても積極的であり、新しいことにもどんどんチャレンジします。
多様性を重視
人種や性別、文化、価値観など、あらゆる多様性を重視・尊重するというのがZ世代の特徴の1つです。学校教育でも「LGBT」や「ジェンダーレス」「SDGs」「マイノリティ」などを学んでおり、周囲に合わせるというよりも、”自分らしさ”を重視する傾向にあります。その一方で、助け合い、互いに認め合うといった協調性にも優れています。そのため、家族や友人、知人を大切にし、オンライン・オフライン問わず、コミュニケーションを欠かせません。
社会問題への関心
「Z世代の関心のある社会課題とメンタルヘルス―サステナブル・ライフスタイル意識調査2023」によると、Z世代の社会問題への関心について1位は人種差別、2位は電力・エネルギー問題、3位は少子化・高齢化問題となっています。
1位はセンシティブな問題ですが、多様性を尊重しようというZ世代の思考がそのまま順位に現れていると考えられます。
その他、気候変動やごみ問題、環境問題、貧困問題などにも関心が高く、グローバルな視野を持っていることでも知られています。
働き方
ワーク・ライフ・バランスを重視する傾向にあります。ワーク・ライフ・バランスとは、「働くすべての方々が、『仕事』と育児や介護、趣味や学習、休養、地域活動といった『仕事以外の生活』との調和をとり、その両方を充実させる働き方・生き方」と政府広報オンラインで定義されています。つまり、仕事とそれ以外の時間をどのように充実させていくか、よりよい生活のために調和をとることを目指した考え方です。年間を通じて仕事の割合が大半を占めると、ストレスも大きくなり、健康的な生活ができなくなる場合も否定できません。そのため、これまでの時間が固定された働き方というより、柔軟な働き方を望む傾向にあります。コロナ禍では、テレワークなどの導入が急増したため、Z世代にとっては自然と調和のとれた働き方となり、時間の使い方にも幅が広がったと考えられます。
自由に働く機会が増えたことに加え、フレックスタイム制度においても積極的に活用する傾向にあり、その結果、生産性の向上につながるので、より充実した生活を望むのです。
経済意識
Z世代は金融リテラシーについても早い段階から積極的に取り入れ、インターネットなどを利用し、独学で学ぶことも多いです。動画投稿サイトやSNS型投資アプリ、オンラインスクールなどを活用し、熱心に学ぶケースも多く見られます。近年は、少額で投資を始められるため、暗号資産なども熱心に学ぶ人も多いでしょう。
購買・消費行動
Z世代による商品の購入やサービスの利用は、店舗に比べるとオンラインで購入する場合も少なくありません。商品を購入する際は、スマートフォンを用いて「口コミ」や「レビュー」などを参考にし、しっかりとリサーチするのも特徴の1つです。近年、販売促進手段としてライブコマースが普及しつつありますが、Z世代においても利用するケースも多く、テレビや新聞、雑誌を通じての購買・消費行動は減少傾向にあるといえます。
Z世代の情報収集について
近年、インターネットやスマートフォンが当たり前に普及している中、Z世代はどのように情報収集を行っているのでしょうか。ここではZ世代の情報収集を具体的にご紹介します。
一般的な情報収集
デジタルネイティブであるZ世代の情報収集は、なんといってもインターネットやスマートフォンが欠かせません。一昔前はパソコンを積極的に利用していた傾向にありますが、今はスマートフォンが圧倒的に多く、長い動画よりも短い動画などで情報収集を行うことが多いです。
SNSを活用
Z世代になくてはならないSNS。具体的にはX(旧Twitter)やInstagram(インスタグラム)のリール、LINEのほか、TikTokや動画投稿サイト(YouTube)などで情報収集を行うことが当たり前になっています。TikTokやInstagramのリールが多いのも、短い時間でより効率的に情報を得るというZ世代のタイムパフォーマンス(タイパ)を重視した考えであると言えるでしょう。SNSではスクロールするだけでありとあらゆる情報が入ってくるため、手軽さやタイパなどの観点から、積極的に活用しているのではないかと考えられます。
SNSを使い分ける
SNSにはそれぞれの特徴がありますが、使い分けを行うのもZ世代の特徴の1つ。
写真映えを重視したオシャレなスポットを調べる際にはInstagram、話題のお店やお出かけ先調べる際にはTikTok、リアルタイムな情報を得たり自分の趣味に関する深堀した情報を探す際はX、専門性の高いジャンルを学ぶ場合はYouTubeなど、それぞれ使い分けをすることも少なくありません。
受動的な情報収集と能動的な情報収集
SNSは流れてきた情報を見て学んだり、わからないことを調べる受動的な情報収集に加え、フォローしたり、ハッシュタグを付けて投稿したりする能動的な情報収集を行うのも方法の1つです。
発信する”ツール”としてのSNS活用
SNSの特徴として、受動的・能動的な情報収集だけでなく、時には発信する側の”ツール”として活用する場合も多いです。
情報収集をした上で学ぶことも大切ですが、自分が何者であるのか、またはどのような目的でSNSを利用するのかを考えると、自然と発信者となって利用している場合もあるのではないでしょうか。
今やSNSの時代であり、インフルエンサーと呼ばれる影響力のある人はSNSを通じて有名になり、得意分野で活躍するといったケースもめずらしくありません。
言い換えれば、SNSをどのように利用するかで、その先の人生も大きく変わる可能性もあるのです。
SNSの情報収集から発信者になり、インフルエンサーとなって大きく成長できる可能性もあるのです。
たとえば、何気ない日常の投稿であっても、ある人に心響き、”バズる”といった現象も起きます。その理由としては、SNSには”拡散力”があるためです。いつ、どんな投稿がバズるのかはSNSを利用してみないとわからないことですが、毎日利用していると「こういう投稿がバズるんだ!」とわかる場合もあるかもしれません。
そのため、Z世代は自分をアピールするツールとしてSNSを上手く活用する人も多くなっています。たとえば、TikTokで個性的なダンスをしたり、得意技を披露したりするのもSNSを上手く利用する方法の1つではないでしょうか。
Z世代の”検索”という情報収集
ここまでZ世代によるSNSの情報収集について解説し、受動的・能動的の両面で行われていることが理解できたかと思います。しかし、情報収集の手段として”検索”というのもSNSの情報収集よりも広く一般的に行われているのではないでしょうか。Z世代は「検索しない」または「ググらない」といった声もありますが、実際には検索するのでしょうか。ここではZ世代の情報収集として”検索”を中心に解説します。
・Z世代は”検索する”
Z世代はSNSを積極的に活用して検索しないといったイメージもありますが、実際にはGoogleやYahoo!のサイトを利用して検索する場合もあります。ただし、調べたいことの内容によってSNSで情報収集したり、検索エンジンを利用して情報収集するといった使い分けを行うということです。前述した通り、SNSの中でも使い分けを行うZ世代ですが、SNSと検索エンジンの使い分けも行うのです。
・ハイブリッド型の情報収集
さらには、SNSと検索エンジンどちらも利用しながら情報収集するといったハイブリッド型も行います。実際には調べたいワードを検索エンジンを用いながら、SNSで口コミなどを確認するといった方法です。場合によっては、比較サイトや動画投稿サイトを見てレビューなどを参考にするケースもあるのです。具体例を挙げると、ワードに対する正確な情報は検索エンジン、お店を利用した人の声を知りたい場合にはSNSなどの利用方法が多いです。TikTokやYouTubeでは、レシピやスポーツ、有名人の情報、音楽など、ストックしておきたい情報などに活用するケースがあります。このようにZ世代は「検索しない」「ググらない」わけではなく、あらゆる情報収集方法を活用したハイブリッド型が一般的になっていると考えられます。中には、スマートフォンだけでなく、タブレットやパソコンを用いて情報収集を行うケースも否定できませんが、今はスマートフォン中心に、いつでもどこでも効率よく情報収集を行っているといえるでしょう。
・レコメンドアルゴリズム
最近では、ユーザーの行動や視聴履歴、嗜好性などを分析したSNSの”レコメンドアルゴリズム”が普及しつつあり、検索エンジンを利用するまでに情報を得られたというケースも否定できません。そのため、今後はレコメンドアルゴリズムによる効果的なアプローチができれば、検索しない情報収集も増えるのかもしれません。
Z世代の情報収集方法を活用したマーケティング戦略は専門会社への相談がおすすめ
Z世代は、1990年代半ばから2000年代初頭にアメリカで生まれた若い世代を指し、インターネットやスマートフォンを当たり前に使用していることから「ソーシャルネイティブ」や「スマホネイティブ」と呼ばれることもあります。
また、多様性を重視しており、オンライン・オフライン問わず、コミュニケーションを欠かせず、社会問題や環境問題、貧困問題など、幅広い問題にも積極的に解決しようとする姿勢も見られます。
Z世代の情報収集においては、SNSが中心となり、受動的・能動的な情報収集を行います。検索しない、ググらないと言われる場合もありますが、実際には目的に応じて検索エンジンを利用する場合も少なくありません。ただし、SNSだけではなく、動画投稿サイト、検索エンジンを組み合わせて、ハイブリッド型の情報収集を行い、自分が知りたい情報をより効率よく、質の高い手段を選択していると考えられます。今後はレコメンドアルゴリズムによっては、検索しない情報収集方法も普及するのかもしれません。
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